整体師フムロが、自分の歩みにおいて大切にしている35の指針を、ここに記しました。
かなり長い文章になりますが、これらの言葉を通して、わたしという人間の輪郭をほんの少しでも感じ取っていただけたなら幸いです。
また、このような想いにどこか共鳴してくださる方と、静かにあたたかくご縁を紡いでいけたらと願っています。
どうぞ、心の中の羅針盤にふれるような気持ちで、ひとつひとつ読んで頂けると嬉しいです。
1. 水平線を眺めて、一日をはじめる
相模湾に広がる水平線を見つめることから、わたしの一日が始まります。
空と海のあいだに引かれた、ただまっすぐな線。
頭の中を空っぽにして、ぼんやりとその景色に身を委ねる時間は、心のざわめきを静かに鎮めてくれます。
浮き沈みに揺れすぎず、自分の軸を整えるための、わたしなりの朝の習慣。
あなたには、どんな始まりのルーティンがありますか?
2. 自分を整えてから、誰かと向き合う
まずは、自分自身のカラダを整えておくこと。
健康であること、体調が安定していること、これがすべての始まりだと感じています。
ありがたいことに、ここ何年も風邪で寝込むことなく、流行するウイルスにも縁がありません。
そして不思議なことに、自分のコンディションはそのまま、施術の質にもあらわれてきます。
ココロもカラダも、常に良い状態で。
そのうえで、目の前のおひとりおひとりと、まっすぐに向き合っていたいのです。
3. やさしい手をつくる
施術にそなえて、わたしはいつも「やさしい手」をつくるように意識しています。
繊細に、刺激が深く届くように。やさしく触れることで、カラダがふっとゆるみはじめます。
昔から「手当て」という言葉があるように、人の手には、想像以上のちからが宿っていると感じます。
とくに、育児や介護に関わる方、日々の疲れを抱えやすい方には、この「手の力」をぜひ届けたいと思っています。
やさしい手の育て方や、そこに宿るちからについて、興味がある方はいつでも声をかけてくださいね。
4. 手しごとにこだわる
from FM では、治療機器を使うことはありません。
指先や手のひらから受け取る感触、カラダと静かに対話するかのように、その温もりを通じて、カラダの変化を引き出していきます。
ときに、わたしの手の温かさそのものが変わるような感覚があります。 それを感じていただけたら、とても嬉しく思います。
5. 軸を整えて、まっすぐに触れる
日々、わたし自身のカラダの軸を整えています。
それは、不調を防ぐだけでなく、施術そのものの質にも大きく影響するからです。
軸が安定していれば、力みなく、脱力したまま、やさしく触れることができます。
そこから生まれる静かな接触が、カラダにとって無理のない、新しい変化の入り口になるのです。
皆さまの大切なカラダにふれる以上、できるかぎりご負担の少ない関わり方でありたいと、いつも心に留めています。

6. 来るもの拒まず、去るもの追わず
出会いは偶然のようでいて、きっとどこかに必然がある。
整体を通して日々人と向き合うなかで、そう感じることが増えてきました。
わたしと関わってくださる方には、きっと何かしらの意味やタイミングがあるのだと信じています。
だからこそ、今この瞬間に向き合い、できるかぎりを尽くすことを大切にしています。
人にも、整体にも相性があります。
そのご縁が続いても、そうでなくても、尊重をもって見送りたい。
出会いに感謝を込めて、そういう在り方でいたいと思っています。
7. 話を聴くということ
良い関係を築いていくには、まず「知ること」から始まる。 双方向のやりとりがあってこそ、ほんとうに安心できるつながりが生まれると感じています。
一方的に伝えるばかりでは、ほんとうの意味で相手を知ることはできません。 かつて病院の診察で、自分のことを十分に聴いてもらえなかった、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、どうぞ話したいときに話してください。 病気や怪我のこと、これまでの手術のこと、日々の愚痴やお仕事のことまで。 すべてを聴けるわけではないかもしれませんが、わたしはいつでも耳を傾けています。
8. しっかりと、ていねいに伝える
カラダの状態や不調の背景については、できるだけわかりやすく、誠実にお伝えするよう心がけています。
もちろん、すべてが耳に心地よい内容ばかりならよいのですが、ときには、耳に痛く感じられることもお話しするかもしれません。
それでも、それはあなたのことを本気で想っているからこそ。
お伝えする言葉の奥にある意図が、どうか届きますように。
そんな願いをこめて、わたしは言葉を選んでいます。
9. 守るということ
カラダのこと、ココロのこと。
そのどちらにもそっと寄り添いながら、少しでも軽くなるようにお手伝いをしています。
そして、わたしと関わってくださる方々のことは、その想いごと、状態ごと、まるごと守りたいと、いつも想っています。
ほんとうに安心できる場であるために、全力を尽くします。
10. 信頼は、ふたりで育てるもの
カラダに不調や違和感を感じたとき、ふとわたしのことを思い出してもらえる。
そんな関係性を、おひとりおひとりと少しずつ築いていけたらと思っています。
信頼とは、どちらか一方だけでは成り立たないもの。
裏切らないし、裏切られることすら想像できない――
そんな静かな信頼を、ゆっくりと育てていきたいのです。

11. 使わないと決めている言葉
「歳だから仕方ない」「加齢によるもの」「適当に」――
病院の現場では、こうした言葉がカンファレンス中に何気なく飛び交うことがあります。
けれどそれらは、人の可能性をそっと閉じてしまうような、そんな言葉だと感じています。
わたし自身も、かつてこうした言葉に、静かに傷つき、やる気をそがれたことがありました。
だからこそ、from FM では、こういった言葉は使いません。
もし皆さんがどこかでこのような言葉を投げかけられたとしても、
どうか気にせず、右から左へ――静かに通り過ぎさせてください。
あなたの可能性は、いつも、あなたの中にあります。
12. 言葉には、ちからがある
発する言葉ひとつで、誰かの心がふっと軽くなることがあります。
でも同じように、思いもよらず誰かを傷つけてしまうこともある。
わたし自身、その両方を経験してきました。
だからこそ、言葉を口にするとき、書くときには、できる限りの責任を持ちたいと思っています。
言葉は、贈りもののようなもの。
届く先のことを想いながら、できるだけやさしく手渡したいのです。
13. カラダを、まるごとみる
ちゃんとみる。見る。観る。視る。そして、診る。 そのすべてを重ねるような気持ちで、カラダと向き合っています。
カラダは部分ではなく、全体でひとつのいのちを営んでいます。 どこかの働きが弱まれば、別の部位がそれを補おうと頑張ります。 そうして互いを支え合うように、安全に、静かに機能しています。
無理なく、自然に、連動しながらつながっていること。 そんな健やかなカラダを、そっと取り戻していくことが、わたしの目指すところです。
14. 手間をかける、というやさしさ
たとえば、同じ料理でも――
ひと手間、ひと工夫が加わるだけで、作り手の想いが伝わり、美味しさがぐんと増すことがありますよね。
それは整体にも、どこか通じるものがあると感じています。
目の前のカラダと丁寧に向き合いながら、その方のための調整を、ひとつずつ、惜しまずに重ねていく。
想いを込めて、手をかけること。
それが、from FM の施術の原点にあります。
15. 強制も、強要もしない
施術の方針や、セルフケアのアドバイスなどは、カラダの状態に合わせてご提案いたします。
けれど、次回のご予約を無理にお願いしたり、自宅での運動を義務のように強いることはありません。
カラダは、その人のもの。
だからこそ、選ぶのも、その方自身であってほしいのです。
わたしができるのは、ただ誠実にお伝えすること。
そのうえで、どう向き合っていくかをご自身で決めていただくことを、大切にしています。

16. そっと、気をくばる
目配り、気配り、心配り。
目には見えにくいけれど、カラダにもココロにも、じんわり届くものだと思っています。
from FM では、施術そのものだけでなく、場の空気や時間の流れにも、静かに心を配るよう努めています。
おもてなしのように、かといって仰々しくなく。
ただ、あなたの立場に立って、そっと空間を整えておきたいのです。
17. 清潔であることは、信頼のはじまり
当たり前のことかもしれませんが、施術ごとのベッドの消毒、こまめな室内の掃除は欠かさず行っています。
もちろん、トイレもきちんと整えています。
清潔であることは、施術の一部だと思っています。
目に見える空間のきれいさは、そのまま安心感や信頼感につながっていくものだから。
気持ちよく過ごしていただけるように。
小さなことを、コツコツと、いつも丁寧に重ねています。
18. タオルにも、清潔とまごころを
施術で使用するタオル――
枕のタオル、フェイスタオル、ボディタオルは、すべておひとりごとに交換しています。
カラダに直接ふれるものだからこそ、いつも清潔に。
そして、ふれた瞬間に安心できるようなやわらかさで、そっとご用意しています。
19.服装にも、清潔と自分らしさを
いわゆる制服や白衣のようなものは着ていません。
白シャツや黒シャツ、時には青系のシャツ。
夏場にはアロハシャツの日もあります。
その日の気分や季節に合わせて、自由に選んでいます。
ただし、どんな服であっても「清潔であること」は欠かさずに。
同じものを続けて着まわすことはせず、お迎えする準備として、身なりも整えてお待ちしています。
20. 施術は、あなたのためのオーダーメイド
人それぞれ、生き方も違えば、痛みの感じ方も違います。
書籍に載っているような“マニュアル通り”のカラダなんて、ひとつとして存在しません。
だから、from FM の施術はすべてオーダーメイド。
今のあなたのカラダに、ココロに、そっと寄り添うように組み立てていきます。
その日、その瞬間に必要な調整を、ていねいに。

21. 真似ることから、学びは始まる
整体の師、異業種の方、クライアントや友人――
いろんな人と出会い、ふれ合うなかで「いいな」と感じたことは、できるだけ素直に受け止め、取り入れるようにしています。
見たり聞いたりするだけでは、なかなか腑に落ちないこともあります。
でも、自分なりに真似てみることで、初めてカラダを通して理解できることがある。
それが、ときに自分ひとりでは辿り着けないような場所へ、静かに連れていってくれます。
学ぶことは、真似ることから始まる――
その言葉の意味を、日々あらためて実感しています。
22. あいさつから、すべてが始まる
あたりまえのようでいて、意外と難しいのが、あいさつという営み。
恥ずかしかったり、タイミングを逃したり――
じつは、苦手に感じている方も少なくないかもしれません。
でも、人と人とのつながりは、やっぱりあいさつから始まると思うのです。
言葉の内容よりも、まず「ここにいます」と相手に伝えること。
その一歩が、信頼や安心の土台になっていくのだと感じています。
わたし自身、自然にあいさつができる、礼儀あるひとりの人間であり続けたいと思っています。
23. まずは、自分を満たす
自分のココロの状態は、知らず知らずのうちに、目の前の人に影響を与えてしまうもの。
だからこそ、まずはわたし自身の中に、余白やゆとりをつくっておくことが大切だと感じています。
仕事も、生活も、余暇も――
「やりたい」と思えることを、素直に楽しむ時間をもつこと。
そうして、自分自身をきちんと満たしておくこと。
それは、欲張りなことではなくて、誰かをやさしく受け止めるための土台なのだと思います。
ここにもまた、静かにバランスが必要ですね。
24. 手洗いとうがいは、静かな約束
おひとり施術を終えるごとに、必ず手洗いとうがいをしています。
それは、清潔を保つためであり、大切な予防でもあります。
あたりまえのことを、ていねいに続ける。
その積み重ねが、安心して過ごせる空間をつくるのだと思っています。
25. 指先にも、ココロを込めて
施術でふれる手、その先にある指先――
だからこそ、爪のお手入れにも細心の注意を払っています。
老眼の影響で爪切りの使用が怖くなり、今ではもっぱら爪やすりを使うようになりました。
3日に1度は必ず整えて、どんな瞬間も、誰かのカラダを傷つけないように。
小さなことかもしれませんが、そこにこそ、わたしの姿勢があらわれると思っています。

26. 手をつかうからこそ、手をいたわる
手洗いの回数が多い日々のなかで、冬場は特に乾燥しやすく、気を抜くとすぐにガサガサになってしまいます。
だからこそ、手荒れが出ないよう、こまめにハンドクリームで保湿をしています。
やさしくふれるためには、まず自分の手をやさしく扱うことから。
大切な手だから、ちゃんといたわる。
それもまた、施術の一部だと思っています。
27. 基礎と基本に、立ち返る
どんなことにも、基礎と基本があります。
それは、わたしが提供する整体においても、同じこと。
積み重ねていくには、しっかりとした土台が必要です。
うまくいくときも、うまくいかないときも――
いつでも立ち返れる場所として、師から教わった基礎と基本を、今も大切にしています。
進むためには、戻る場所が必要。
そんな振り返る場が、これからを支えてくれると信じています。
28. お札には、ささやかな気づかいを
お釣りで新券が返ってきたとき、ふと嬉しい気持ちになることがあります。
そのうえで、お札の人物の向きがそろっていたら、なおさら。
そんな小さな気づかいに触れて、わたし自身が心あたたまる体験をしたことがあります。
それ以来、自分もそっと真似するようになりました。
もしかしたら、気づかれないかもしれない。
でも、気づかれなくてもいいんです――
そう思えるようなやさしさを、静かに添えていけたらと思っています。
29. プライバシーは、信頼の礎
カラダのことや、プライベートなお話――
どんな内容であっても、それが外に漏れることはありません。
ここで交わされる言葉や空気が、安心して過ごせる時間になるように。
プライバシーの厳守は、信頼のいちばんの土台だと考えています。
30. 施術料には、想いと責任を込めて
割引券の発行や、クーポンサイトなどの媒体への掲載は行っておりません。 一時的なお得感よりも、大切にしたいのは「カラダと向き合う覚悟」だと感じているからです。
慰安や気分転換を目的とする方にとっては、少し厳しく感じられるかもしれません。 でも、施術料は皆さまの大切なカラダを預けていただくための、責任ある対価だと考えています。
その分、日々研鑽を重ね、よりよい時間とサービスをお届けできるよう努めています。 どうかご理解いただけましたら幸いです。

31. この仕事に、誇りを持っている
サラリーマンとしての道、医療従事者としての経験――
いくつかの仕事を経て、ようやく出会えたのが「整体」というしごとでした。
カラダに不調を抱える方と、ひと対ひとで向き合い、腕だけでその方の快方を支えていくこの仕事には、深い魅力があります。
そして、これはわたしにとって“天職”だと、今は胸を張って言えます。
遠回りだったかもしれませんが、たどり着いたこの場所で、わたしは “3度目の人生” をかけています。
32. 骨にふれ、関節を動かして整える
from FM の施術は、慰安を目的とした揉みほぐしやマッサージではありません。
頭から手足の指先まで、全身の骨にやさしくふれながら、関節ひとつひとつの動きを丁寧に確認し、必要な調整をしていきます。
構造にふれることで、深いところから整えていく。
そんな施術を、ひとりひとりに合わせて行っています。
33. コントロールしない
人はそれぞれ、考え方も感じ方も違います。
だからこそ、わたしの言葉や態度が、誰かの選択肢を奪ってしまわないように。
自分の考えや答えに、無意識のうちに誘導してしまわないように。
整体を通して関わるうえでも、ひとりの人間として向き合ううえでも「コントロールしない」という姿勢を、わたしは大切にしています。
その人が、その人自身の意志で選び、歩いていけるように――
そっとそばにいること。それが、わたしの役割だと思っています。
34. ジャッジしない
たったひとつの正解なんて、ほんとうは存在しないのかもしれません。
どんな答えや考え方にも、その人なりの理由や背景、解釈があります。
ときには、そのまま受けとめること。
同じにはなれなくても「そういう見方もあるのだな」と感じてみること。
それが、信頼や対話の土台になるのだと思います。
判定ではなく、理解へ。
わたしはそんな人でありたいと願っています。
35. 感謝を、忘れずに
思い返せば、これまでの人生にはさまざまなことがありました。
紆余曲折、浮き沈み――泣いたり、笑ったり。
たくさんの経験を重ねて、今のわたしがあります。
いま、こうして幸せに過ごせているのは、家族、友人、整体の師、志をともにする仲間――
そして日々関わってくださるすべての方々のおかげです。
だからあらためて、心から伝えたい。
「ありがとう」と。
この感謝を忘れずに、これからも歩んでいきます。
さいごに
ここまで長い文章を、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
これらの言葉は、日々わたしが心にとめ、実践しながら仕事をしていることばかりです。
これから歳を重ね、経験を深めていくなかで、きっと新たな気づきや価値観の変化が生まれてくると思います。
そのときには、この「羅針盤」も静かに姿を変えていくかもしれません。
変わり続けることは、不安定ではなく自然なこと。
よりよい施術と時間をお届けするために、わたし自身も柔らかく、誠実に、変化していきたいと思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
もしも何か心にふれるものがあり、共感していただけたり、相性の良さを感じてくださったなら――
どうぞ、ためらわずにご連絡ください。
あなたのためだけの整体を、丁寧にお届けいたします。
不室 真大(フムロ・マサトモ)